日本で介護施設を運営されている方が日本からやってきてくれた。
昨夜は、お食事をご一緒させて頂き、お話を聞けたので、色々と勉強になった。
私が気になるのは、フィリピンにやってきた日本人の反応よりも、フィリピン人側の反応。
もちろん、日本人に興味が無いという事では無いのだけど、私自身が日本人。
初めてフィリピンに来た時の印象は、昨日の事のように、衝撃的な印象だったのを鮮明に覚えている。
人によって受ける印象は違うものなのだろうけど、それを言葉にする事は難しいので、日本人サイドの方に、フィリピンに来てどんな印象を抱いたのかを伺ってみたいとは思わない。
むしろ、気になるのがフィリピン人の反応。
フィリピン人の生徒にしてみれば、もしかしたら将来のボスになるかもしれない人とのご対面。
仕事の話、環境の話などを聞いて、フィリピン人生徒の目が輝いている。
フィリピン人って幼稚園児みたいだ。
エキサイティングな気持ちを自分の中に収めておく事なんてできない。
トロける様な笑顔でニコニコして、希望に満ちた表情になる。
学校の生徒というと、若い子を思い浮かべるかもしれないけど、生徒達は介護職などの経験がある30歳以上の方が大半だ。
平均年齢が27歳というフィリピンの国において、30以上の男女はオジさん・オバさんになる。
国民の平均年齢を超えたいい大人を捕まえて言う言葉じゃないのかもしれないけど、すごく純粋で可愛らしい。
見た目が大人なのだけど、いい言葉で言えばスレていない、悪い言葉で言えば精神年齢が幼い。
好奇心を抑えられないフィリピン人。
将来ボスになるかもしれない人がどんな人なのか興味津々。
野生の本能みたいな能力が高いフィリピン人は、理屈じゃなく本能で、相手がどんな人かを見抜く能力を持っている。
その本能が反応しているのだろう。
実際に、生徒達と日本から来た介護の方達とが会って、もしかしたら、遠くない将来にボスになるかもしれない人間の能力が高い事を彼等は敏感に感じ取った。
この人の下で働きたいと考えているのが手に取るように分かる。
だから、もしかしたら、遠くないいつかに、自分のボスになるかもしれない人を目にして、ついついニヤけて、目がキラキラしてしまう。
彼等はチョイスした。
一般的に、働く人はボスや上司を選べない。
だけども、彼等は、ボスになるかもしれない人と同じ空気を吸って、それだけで理解した。
このボスがいいと。
あとはボスに選んでもらうだけ。
ビジネスとして、実習生を見に来た日本人側が、どういう視点で見ていたのか、私には分からない。
だけども、フィリピン人生徒側の気持ちや考えだけは、私の脳味噌に流れ込んで来た。
今まで、色々な不安の中、自分の時間や生活費を削って、日本語を必死になって勉強してきた。
家族にもサポートしてもらいながら、決して自分だけのチカラだけじゃなく勉強してきた。
なのに…
ちょっと出来なければ、すぐに心が折れる。
テストの点が悪ければギブアップしようとする。
目指すところが真っ暗で見えない。
不安なまま、それでも日本に行って仕事をしたいという一心だけで勉強してきた。
そんな中、日本から高い飛行機代をかけて、自分達を欲している人達を実際に目で見る。
まだ何も決まっていない。
だけど、真っ暗な中で走り続けてきた彼等にとっては、一筋の光が見えただけで、十分過ぎるほどの明るさだった。
自分の信じて打ち込んできた道が間違っていなかった。
自分を信じて、自分の決断が間違っていなかった事で、すごく自信がついたのだと思う。
きっと、実習生の彼等は、これから一気に、日本語レベルが上がっていく。
迷いの消えたメンタルは、きっとこれまで以上に勉強へ集中させてくれる。
それを1番間近なアリーナ席で見れるなんて、人間がすごいスピードで成長するところを目の当たりにできるなんて、私はなんてラッキーなんだろう。
フィリピン人生徒が日本で困らない様に、私は知っている事をありったけ教えてあげたい。
彼等を選んでくれる企業さんがあれば、フィリピン人を選んで良かった、当校の生徒を選んで良かった、そう言ってもらえる様にチカラいっぱい生徒さんに教えてあげたい。
日本からフィリピンにやってきた企業の方と、フィリピン人生徒が出会った場面に刺激を受けた私でした。